英検は今年中に受けましょう!~2024年から問題が変わります~
「問題も変わると聞いているけど、大した事ないでしょ?」
そんな風に思って、お子さんの英検受験をためらっている方、いませんか?
もし、1級~3級を受けるなら今年中をおすすめします。なぜなら、英検公式から「2024年度から問題の内容をリニューアルする」とお知らせがあったからです。
今回は、現時点で判明しているそのリニューアル内容と今年中に受験をおすすめする理由をお伝えします。
英検2024年リニューアル
2023年7月6日、英検より下記のお知らせが発表されました。
内容は大幅に変更され、今までとは違った傾向で、かつ対策がしづらい問題が追加されました。
参考:「2024年度(予定)より実用英語技能検定(英検)の問題形式 一部リニューアルのお知らせ」
そもそもなぜリニューアルされるのか?
英検では、今まで学習指導要領に基づいた問題が出題されていましたが、昨今の学習指導要領では、社会の変化に伴い複数の技能を求められ、さらに知識や技能だけでなく、その場面や状況に応じた言語の運用を考える中で思考力、判断力、表現力も必要とされています。
具体的には、単に英語の知識を習得するだけでなく、それを活用して自分の意見を表現したり、他人とコミュニケーションを取る能力が重視されます。これは、現代社会で求められる英語力の本質であり、今回のリニューアルはこの観点を強く反映しています。
そのため、現行の問題だけでは「現代に求められる言語能力を持っている」と判断できなくなると考え、今回のリニューアルを決めたようです。
変更点のまとめ
では、具体的にどんな変更点があるのか解説します。
対象級
変更点がある対象の級は以下です。
・1級
・準1級
・2級
・準2級
・3級
なお、それぞれの級によって変更点が異なりますので、詳しく解説していきます。
変更時期
変更時期は、2024年第1回目の予定となっています。
試験時間
まずは試験時間です。
変更の対象級は、
・準2級
・3級
で、1級~2級は変更がありません。
1次試験が、
・準2級:75分 → 80分 に延長
・3級:50分 → 65分 に延長
と、それぞれ5分と15分長くなっています。
Reading:問題数を削除
次はReadingです。
変更の対象級は、
・1級
・準1級
・2級
・準2級
です。
内容:Readingの語彙問題・長文問題の問題数を一部削減
いきなり削除される、ときいて拍子抜けするかもしれませんが、これは、他の問題が増えたことにより試験時間の調整をするための変更です。
尚、削除されたことによる最終的な問題数はまだ公表されていません。
Writing①:要約の問題が追加
2024年からの大きな変更点で、一番大きなものは、このWritingに問題が追加されることです。今までは意見論述の1問のみでしたが、もう1問加わり2問の構成となりました。
これは、単純に考えればこれまでの2倍の回答時間や対策の時間が必要となります。
では、Writingの変更点の1つ目を説明します。1つ目は、既存の意見論述1問に加え、要約の問題が追加されます。
変更の対象級は、
・1級
・準1級
・2級
それぞれの内容は、英文をそれぞれ読んで、
・1級:90~110語に要約
・準1級:60~70語に要約
・2級:45語~55語に要約
となっています。
この問題を解くために一番重要なのが、要約するための文章をしっかりと理解し、その文章の中で言いたいことは何かをつかむ力です。日ごろから日本語で訓練をすることも必要ですが、さらにそれを英語にしなければならないので、かなりの言語の運用能力が必要とされます。
この訓練を年齢の低いうちから実施し、上位級を受験する場合にはかなり壁になってくることでしょう。
この要約問題については、それぞれの級で1問ずつ例題が公開されているので、ぜひ参考にしてみてください。
例題は以下リンク先の2ページ目から3ページ目です。↓
https://www.eiken.or.jp/eiken/info/2023/pdf/20230706_info_eiken.pdf
Writing②:Eメールの問題が追加
次に、Writingの変更点の2つ目として、既存の意見論述1問に加え、Eメールの問題が追加されます。
対象の級は、
・準2級
・3級
となります。
内容は、それぞれ細かく違っており、
・準2級
①Eメール文を読み、そのEメール内に記載されている質問に対して答える
②さらに、Eメール文に記載されている一部の内容に対して質問もする
③40語~50語で答える
・3級
①Eメール文を読み、そのEメール内の下線部の内容に対して答える
②15語~25語で答える
です。
準2級の例題では、a pet robot に下線が引かれており、「こういったロボットペットがこれからより向上するか」が全体として聞かれています。これの特徴について具体的に問う質問を2文書けばよさそうです。そのため、最初の問いは、YESかNOかで回答して、その理由を書き、さらに2つ質問がある、として書けばいいと思われます。
3級のサンプル問題では、
1:How many people were at the party ?
2:How was the food?
という2つの問いがありました。
この自由に答えるというのが、低い年齢層には難しいかもしれません。適当に「8人来ました。サンドイッチが出ました、おいしかったです。」と思いつけばよいのですが…。
こちらについても、例題があります。
以下リンク先の4ページ目から5ページ目です。↓
https://www.eiken.or.jp/eiken/info/2023/pdf/20230706_info_eiken.pdf
Speaking:新たな種類の問題が追加
対象級
・準1級
二次試験となるSpeakingでは、受験者の意見を問う質問に、新たに話題導入文が追加されます。話題導入文は名前の通り、一番最初に入る一文です。
これがあることで、文章が長くなるため聞き取るのが難しくなり、いくつか用意したはずの回答がつぶされる可能性があります。
例文では、文頭で「お金持ちの国と貧しい国の格差の問題はよく議論されますが、お金持ちの国は貧しい国を助けるべきか?」という文が追加され、話題の幅を狭くしています。また、質問の内容的にも、時事問題に普段から興味を持っていないと答えられません。
さらに、この問題についても普段から自分の考えをまとめ、意見を言う訓練をしていなければなりません。この訓練も低い年齢層からでは非常に難しいでしょう。
こちらについても、例題があります。
以下リンク先の6ページ目です。↓
https://www.eiken.or.jp/eiken/info/2023/pdf/20230706_info_eiken.pdf
受験料
受験料については、また公表されておらず、今年9月ごろに改めてお知らせがあるようです。
2024年に受験する際の注意点と年内受験がお勧めの理由
今までお伝えしてきたように、時間も延長され新たな種類の問題も追加されることになりました。内容から考えるとさらに難しくなることが容易にわかるかと思います。追加された内容からして、普段から積極的に要約や意見を述べる訓練、時事問題に興味を持っていることが必要となります。
ここでさらにお伝えしなければならないことがあります。2024年に英検を受験する際には、無策で受験に臨むことになることを忘れてはいけません。
ではなぜ無策になるのか?
それは、まず対策を教えるためには、過去問を何回分も解いて分析します。
その解いた問題数は10問や20問なんてものではなく、100問、1000問、10000問と果てしない数になります。そうやって時間と手間をかけて編み出さなければならない対策が、今回公式から出た例題数問程度では編み出せず、十分な対策を施すことはできません。
また、こういった自由回答の形式は、パターン化することが非常に難しく「これでばっちりだ!」といった内容の対策も打つことも簡単にできません。
さらに、今までは授業で習うような単語や文法だけを覚えて臨めば良かったのに対して、今回のリニューアルではいかにその覚えた内容をアウトプットできて来たかが求められる問題となりました。
せっかく今まで一生懸命に勉強をしたのに、今回追加された問題を解けなかったせいで不合格は避けたいところです。
そういった意味で、もし受験されるのであれば、年内をおすすめします。年内であれば、対策も十分とれ合格に際しての不安もかなり減ります。
英検は2023年中に受けましょう!
以上のことから、今までは単純に単語や文法を習い、授業で習得できるような英語ではなく、その覚えたものをいかにアウトプットしてきたか、が問われる内容になっていきます。つまり、ある程度の回数の訓練が必要です。これらを避けたい場合は…今年中の英検受験をお勧めします!