短期英会話メソッド

最近よく目にする、短期で必ず英会話が上達するという英会話教材・・・ではなく、2ヶ月から3か月で英語が話せるようになるといったものが目立ちます。

これらは、ダイエットでおなじみのライザップのように「結果にコミット」というキャッチフレーズでコミットをうたい文句にしておりますが、私たちが考える英会話が話せるようになる期間とは一致していないように思うので、どういったメソッドなのか?という点にとても興味が湧きます。

そしてこれらのメソッドを提供している業者は非常にマーケテイングがうまく、必ずリスクリバーサルという手法を使っていますね。
リスクリバーサルとは結果が出なければ全額返金というような、商法で、一部条件付きという事もあったりしますが、、痩せなかったら、全額返金とか、楽しくなかったら全額返金とか、そういったものです。

でも本当に2か月から3ヶ月で英語が話せるようになるのであれば、同じメソッドでフランス語やスペイン語、中国語なども可能という事になると思いますが、1年で4か国語を取得できるという事になるので、3年間で12か国語を話せるようになるという事になります。

このように考えると無理そうに思えますが、大目に見て英語に関しては日本人の場合、基礎力を皆さん持っているという事もあるのでしょう。

私は今までに500人以上の外国人と一緒に働きましたが、ヨーロッパの人たちの中には5か国語以上話せるというような人たちが時々いました。
中でも一番話せる言語が多かった人は6か国語ですが、3年間の学習でその人を超えることが出来るという事になります。

それはさておき、事実、私たちのメソッドでは本人次第ではありますが、ものすごく頑張って学習した場合、半年で片言会話が出来る英会話レベルまでもっていく事が可能です。

もちろん決められたカリキュラムを確実にこなしていただいた場合で、短期間である程度話せるようにするためには自己学習量も、かなりの時間を要します。

このカリキュラムは、実際、普通の社会人の方には時間的に難しいもので、専業主婦やビジネスオーナー、フリータ、学生といった、自由な時間を確保できる方々には短期で英会話力を取得することが可能となります。

通常英会話が出来るようになる期間というのは、日々の学習時間によりますが、時間としては一般的には1000時間~3000時間必要です。

1000時間でカタコトレベル、3000時間で中級者の日常英会話レベルという事なのですが、もしこの時間を3か月でこなそうとすると1日に16時間以上、2か月の場合は25時間と1日24時間を超えてしまう学習時間ということになりますので、期間的に無理という事になります。

1500時間というと中学、高校の6年間の授業としっかり自己学習した英会話学習時間の平均です。

なので、通常語学を取得するのには何年間という期間をかけて、じっくり身に付けていくのが普通なのですが、長く継続することは皆さん苦手なので、一部の英語が好きで楽しくてたまらないといった方やそれなりに継続して学習した人しか話せる用にならないという側面もあります。

 

また、英会話を学んだことの無い方の中には理解していない事がありまして、実は私も英会話を習う前、英語が全く話せなかった時には知らなかった事なのですが、英会話力は一度身に付ければもう全く学習しなくてよい、というものではない、という事です。

 

どういう事かというと、一度英語が話せるようになったらもう、「一生もの」と思われている方が結構多くいらっしゃるようなのですが、私たちが日本語を話すように忘れないようにするためには幼少期から母国語として身に付けていないと、大人になってから覚えた言語は実は、ずっと長い期間使っていなければ、徐々に忘れていってしまうのです。

 

算数のように1+1=2というような事は一度習うと忘れる事はありませんが、英会話に関しては筋トレのようなもので、身に付けた英会話力は完全に0まではなりませんが、使っていないとすぐに落ちてしまいます。

 

中級者はもちろんですが、英会話上級者の方の方のほとんどが、かなり英会話学習をしています。というより落ちないようにブラッシュアップしているんですね。

 

要するに語学学習は一生学習といっても過言ではないのです。

 

3か月で!というと思い出すのが、15年以上前になると思いますが、TOKIOがテレビでやっていたガチンコというTV番組です。

色々なことを3か月でこなすという内容でしたが、コーナーの一つにプロボクサーを3ヶ月で育てるという企画がありました。

ボクシングをしたことがない人にとっては、腕っぷしの強い人や喧嘩が強い人、根性がある人で才能があれば3か月でプロボクサーになれるんではないか?と思う人もいるかもしれませんが、まず無理です。

 

基礎体力やテクニックなどすべてを身に付けるのに3か月では時間が足りなすぎますが、知らない人にとっては、もしかしたら出来るのではというような気がするものなんですね。

 

英会話も実際に話せるようになってから振り返ると短期で身に付けるのはほぼ不可能という事がわかりますが、多くの方の中には英会話の学習がしたいのではなく、英会話が出来るようになりたいという方が多いのと、出来るだけ楽に、出来るだけ早く、という方が多いので、こういった短期で身に付けるメソッドが欲しいという需要が多いのだと思いますが、今のところ、すぐに話せるようになるドラえもんの翻訳こんにゃくのような道具はなさそうですね。